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レトロでアジアでシネマな日々


by sugi

「珠玉のシンガポール映画は、こうつくる!」

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日本映画撮影監督協会という団体が主催して
毎年東京と大阪で開催されているイベントですが、
去年は協賛が得られなかった為に開催されずだったそうで、
今年は第7回目。毎度国でテーマが決められ、
映画人をゲストに迎えて映画上映と講演・
パネルディスカッションという濃い内容で、
事前申し込みをすればなんと無料という太っ腹ぶり。
ありがたい限りなんですが、
毎回思うのが、もう少し宣伝して
もっと人を呼べばいいのに・・・ということ。

以前インド映画の回に行ったのですが、
上本町の国際交流センターの小さいホール(150席くらい?)が
半分くらいしか埋まっておらず、
せっかく海外からゲストも呼んでいるのに
失礼じゃないかとこちらがハラハラしてしまうくらい。
で、今回もやはり・・・で、内容がとてもいいだけに
もったいなすぎ!内輪のイベントの感が抜けず・・・。
スタッフの方が多いんじゃないでしょうか。

今回は今のシンガポール映画界を代表する監督
エリック・クー氏がゲストで、その監督作の『一緒にいて』と、
プロデュース作の『881歌え!パパイヤ』の上映。
『881歌え!パパイヤ』は以前一般公開時に
見てなかなかおもしろかった映画です。
その時の感想はコチラ

まずは『一緒にいて』の上映から始まりましたが
コレがホントにいい作品で、不意打ちの感動と言いますか、
思ってもなかったくらいに涙が・・・。
映画自体は洗練されたシンプルな表現で、
シンガポールの街を舞台に生きる
3組の人間関係がそれぞれ展開し、
最後に交差する愛の物語なのですが構成が絶妙で、
シナリオは相当苦労したんだろうなと感じさせられました。

中盤からメインに出て来るのが
目が見えず耳も聞こえない障害者の女性なのですが、
実際その女性と監督が出会い、
本人役で出演してもらうことになった事から
始まった映画だったようです。
「希望」を描く映画にしたかったとのことですが、
この女性の生き方そのモノが明るく力強く、
見る者に「希望」を感じさせてくれるのですが
その絡め方が素晴らしくウマイと思いました。
各国映画祭で賞を取っているのも納得。
ディスカッションで司会をされた「チャンネルアジア」の
旦さんも「この作品が日本で一般公開されていないのが
残念」と言われていました。

映画の中に料理好きのお父さんが出て来るのですが、
たまらなく美味しそうな料理が続々登場で
拷問状態でした。

監督の講演では簡単なシンガポール映画の歴史も
映像を交えて語られ、おもしろかったです。
ディスカッションには日本の田中光敏監督、
撮影監督さんが加わり、『一緒にいて』の撮影秘話を
さらに掘り下げ、今製作中の日本人漫画家の作品を原作にした
アニメのサンプル上映などこれまた濃い内容。
そして、はちゃめちゃでなんでも有りながら、
ホロリとさせられる『881歌え!パパイヤ』の上映が最後を飾りました。
シンガポールもいいですね〜。
またまた旅心がついて、なかなか現実に戻れないのでした。


Commented by choo 淳子 at 2010-10-17 16:55 x
シンガポール映画、観てみたかったなぁ。
もう終わっちゃたのが残念! 次回は事前に情報教えてくださ~い。
Commented by sugisugi26 at 2010-10-17 21:10
>choo 淳子さん
また機会があれば告知しますね。
10月3日だったのですが、私自身気付いたら、
当日って感じで・・・。
これまで、インド・韓国・インドネシア・ベトナム
・シンガポール等々が特集されて来て、
次は「マレーシア」では?!と思っているのですが・・・。
来年が楽しみです。
シンガポール映画ってなかなか日本で見る機会はないですが
これまで見た映画はどれも良かったです。
その国独自の空気感が感じられて心地よいです。
元々マレーシア映画の歴史とかぶる所もあって、
クー監督の講演での、シンガポール映画の歴史映像の中で
昔のマレーシア映画の監督であり歌手であり俳優の
P・ラムリーの映像を初めて見る事ができて嬉しかったです。
choo 淳子さんはご存知でしょうか?
by sugisugi26 | 2010-10-17 02:53 | アジア映画 | Comments(2)