『ダージリン急行』に乗って
監督はウェス・アンダーソン。
「ザ・ロイヤルテネンバウムズ」「ライフ・アクアティック」など
毎回家族をテーマに、どっか風変わりな人々を
微笑ましく見せてくれるのですが、この「ダージリン急行」もしかり。
父親が亡くなってから絶交していた3人兄弟が
長男の呼び掛けでインド旅行に出るのですが、
思いがけぬことが次々起こり、
インドはそう事を予定通りには運ばせてくれません。
そんな中でこの3兄弟はどうなるのか・・・。
まるで子供で、てんでバラバラに見える3人ですが、
やっぱり兄弟なのねって思えるシーンが垣間見えるのがうまいですね。
なんだかんだ言いつつ、好きな物を買い物したり、旅を楽しんでそうなのも笑える。
旅をする列車「ダージリン急行」の内装、デザイン、乗務員の制服などなど
ビジュアル的にものすごくおもしろいし、凝ってるし、目を奪われます!
使われていない列車をインドの職人達といっしょにオリジナルで作り上げて
実際にレールを走らせたというのが驚き!
西洋人がインドに持ってるエキゾチックな要素を詰め込んだような列車です。
こんな列車、実際にあったら絶対乗りたい!!
青を基調とした像模様の「ダージリン急行」から、エンディングに乗り込んだのは
オレンジを基調とした虎模様の「ベンガルランサー(だったと思うのですが)」
って列車になったのが凝ってるな〜と。細かいとこまで楽しませてくれます。
音楽もすごく良かったです!
そして本編前に上映された短編「ホテル・シュバリエ」。
3男ジャックの旅に出る前の話なんですが、
これが短いながらも引き込まれる作品で、
思いがけず出て来たナタリー・ポートマンがすごく魅力的でした。
おしゃれだ〜!
そしてそして、こちらは正真正銘のインド映画。
先週、恒例のインドイベント、梅田JAYでの
「ヒンディーの小部屋」に行って来ました。
98年と、少し前の作品。名作との評判の高い『1942 A LOVE STORY』です。
主演はマニーシャ・コイララとアニル・カプール。
またまたよくできたヒロインのお父さん役で
「ラスト・コーション」にも出演のアヌパム・ケールも!
英国植民地からの独立に立ち上がる時代を舞台にしたラブストーリーです。
英国に抵抗する革命家の娘と、英国の言いなりにインド人を弾圧するインド人役人の
息子との困難な愛。熱い!熱かったです!見ごたえ十分の作品でした。
でもインドのナショナリズムの濃いラストは少し複雑。
やはりどんなことがあっても血で血を洗うようなやり方は悲しいです。
今のチベット問題ともだぶって、スッキリとは見れないところもありました。
凝りに凝ったムダな作品、万歳です(^^)
長男がちょこんとクジャクの羽を持つ姿、カワイかったです。
「1942 A LOVE STORY」ってそんな濃い~内容なのですねぇ。
時々、インド映画で垣間見るインドなナショナリズムについていけないことがあります。
相手がパキだと特に辛らつですよねぇ...
ホント凝りに凝ってましたね。でも映画的にはどっか力がぬけてて
のほほんと楽しめました。
舞台としてのインドが良く生きている気がしました。
インド映画、たまにありますね〜。
あまりにも「インド万歳」になってしまうと、
ちょっと冷めてしまいます。誰もが共感できる
普遍的なお話ではなくなってしまうというか・・・。
バランスが大事ですね。
アンダーソン監督がインドを舞台に、またこんな味のある作品を作ってくれたというのと、インドってほんとに広くて深くて多面的で「はぁー・・・(溜息)」っていうのと。ナショナリズム濃い映画もまたインドであり。。。
そういやこんな映画があるという第一報をいただいたのは
随分前、かりんとさんからでしたね〜。絶対おもしろいハズ!と
期待しておりましたが、ホント楽しめました!
やっぱ、旅っていいな〜〜〜。
摩訶不思議でワクワクするインドも良かったけど、
途中立ち寄る村のシーンも良かったです。
「その名にちなんで」のお父さん役の人が出てました。