2019年最初のアジア映画は中国のサスペンス『迫り来る嵐』。
の話の前に・・・
この映画、シネリーブル梅田で見たのですが、
今年に入ってから、そのシネリーブルも入っているテアトルシネマグループで使える
「TCGメンバーズカード」の優待デーが、
「火曜と金曜」から「火曜と木曜」に変更されてしまい非常に憤っています。
長い間「週末に使いやすくてありがたいー!」と重宝していたのにがっかり。
意図が分かりやすい、あからさまなサービスの改悪はいただけません。
さてさて映画のお話。
東京国際映画祭で最優秀男優賞と芸術貢献賞を取った話題作です。
骨太で憂鬱で、ずっともやもやしたものが胸に残る作品でした。
悪い意味の「もやもや」ではなく、
おそらくそういう反応を狙っているのかなと言う感じがしたのですが。
映像はカラーなんだけどモノクロの様で、よくある中国の地方都市の景色が
生活感はありながらもスタイリッシュに描かれており、
印象的な場面がたくさんあって引き込まれました。
主演のドアン・イーホンはじめ、役者達も魅力的でした。
香港返還を控えた1997年の中国。
大きな工場が街の中心となっていた地方都市で起こった
若い女性が犠牲となった連続猟奇殺人事件と、
それに首を突っ込み犯人探しに躍起になり、やがて暴走する男の物語。
時代の転換期を迎え、取り残され、行き場を見失った人々の
焦燥感と無力感漂う時代がそうさせたのか。
今の中国の経済発展の裏のダークな部分を
クールな目線で、緻密に切り取った作品だと感じました。
ドアン・イーホン演じるユイはどこかにたどり着けたのか。
重苦しく滞ったその時代の空気感が伝わってきました。
無情に降り続ける雨のシーンも効果的でした。
監督はこれが長編デビュー作だそうです。