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レトロでアジアでシネマな日々


by sugi
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エキスポシティで『イロイロ ぬくもりの記憶』

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11月19日大阪の万博公園すぐそばに大型複合施設がオープンしました。
我が家からドアtoドアで30分以内という近さなのですが、
当分混雑しているでしょうし「行くにしてもまだ先よね〜」と思って
オープン翌日の朝に、その中に新しくできた映画館109シネマズのサイトを眺めていたら
この日までオープン記念で「世界の映画祭受賞作品」という特集上映をやっていて
ラインナップを見たら、気になりつつ一般公開時に見逃していた
シンガポール映画『イロイロ ぬくもりの記憶』があるじゃないですか!
12月にみんぱくでの上映もあるのですが、そちらも行けなくなったので
諦めてたのですが、なんてラッキー!¥1100だし・・・。

ただ今人生の充電時期、フリーな時間を有意義に使わねばって事で
とっとと準備してエキスポシティに出発。
平日だということもあって、電車もそれほど混んでいません。
モノレールの「万博記念公園駅」にはコンビニとたこ焼き屋がオープンしており
周辺も活気が戻って来ていました。
駅から数分でエキスポシティ到着。海遊館プロデュース「ニフレル」、
ガンダムカフェには行列がありましたが、全体には落ち着いた感じでした。

109シネマズもそれぞれの映画のスタート時間には人がいるのでしょうが
着いた時には客も少なくカラーンとしていました。スタッフの方が多いです。
機械で指定券を買い、すでに開場していた上映シアターへ。
さすがに新しい映画館、トイレも何もかもキレイで気持ちいい。
しかし、オープニングにマニアックな作品やるな〜と思ったら
観客は私を合わせて2人。上映直前にカップルが入って来て結局4人で鑑賞。
1番小さなシアターだったと思われますが、
天井は高いので画面は大きく見やすかったです。

さてこの映画はカンヌ国際映画祭では新人監督賞「カメラドール」、
台湾金馬奨では4部門、東京フィルメックスでは「観客賞」など、
各国映画祭で多くの賞を受賞しています。
97年のシンガポールに住む共働き夫婦とその息子、
そこに雇われることになったフィリピンから出稼ぎに来たメイドの交流から、
人間の心の変化や成長を静かに優しく描いた作品です。

多忙な両親は1人息子のジャールーにかまってやれず、
その寂しさもあってかジャールーは学校でも問題行動を起こしては
先生方ににらまれ、時に母が呼び出される始末。
そんな手に余る状況に、フィリピン人のテレサがメイドとして雇われ
家事をしながらジャールーの面倒も見る事になります。
始めはテレサを疎ましく思い、嫌がらせをして、心を開こうとしないのですが、
真剣に自分に向き合い、親身によりそってくれるテレサに徐々に心を開き、
国に自分の子供を残してがんばっているテレサへの共感も芽生えてきます。
ギクシャクとしながらも少しずつ家族としてのまとまりが見え出したところで
父が不況のあおりを受け、またも家族に危機が訪れるがどう乗り切るのか。

監督が子供の頃にお世話になったフィリピン人のメイドさんをモデルに
作られた映画だそうです。
アジア経済危機で不況の中、一般的な1つの家族を通して、
雇用・失業問題や女性が社会で働く難しさ、
海外の出稼ぎ労働者の様子など、当時のシンガポールの様々な側面を描きつつ、
普遍的な家族のあり方、人間の優しさ残酷さ、強さを感じさせてくれます。
日々生きていると色んな困難もやってきますが
一緒に乗り越えていける人が側にいるのは幸せな事です。
憎たらしかったジャールーが、テレサのおかげで子供らしい可愛さを取り戻し、
たくましくなっていく様子が微笑ましく、うまいな〜と思いました。
映画の中で鶏や卵が象徴的にからんで来るのが面白かったです。

なかなかナイスな作品セレクトでこれからの上映作品も期待です。
この映画は万博公園内のみんぱくでも12月12日(土)13:30〜上映されます。
映画の背景などの解説もあって面白いと思います。
興味がある方はぜひ!

by sugisugi26 | 2015-11-23 23:22 | アジア映画 | Comments(0)